乳がんから自分を守るために
知っておきたい6つのこと
さまざまな種類のがんが存在する中で、日本人女性に最も多い「乳がん」。
早期の段階で適切な治療を受けると、治る可能性が高いといわれていますが、
残念ながら「乳がん検診を受けたことがない」という女性は多いようです。
そこで、乳がんが身近な病気であること、乳がん検診の受け方、
自分でできるチェックの方法など、
6つの大事な基礎知識をジーニーちゃんに教えてもらいました!
乳がんって、どんな病気なの?
日本では、「女性がかかるがんの第1位」。
「9人に1人が生涯で乳がんになる」※1といわれて
いるの。とっても身近な病気だってことを、
一人でも多くの女性に知ってほしいな。
乳がんにかかる女性は年間9万2200人、乳がんによって亡くなる方は1万5100人にも上ります(2019年予測値※2)。しかし乳がんは、「しこりが2cm以下」の早期に適切な治療を受けると、約9割が治るともいわれています※3。
自覚症状がないと、つい自分には無関係だと感じてしまうものですが、乳がんから健やかな日々を守るためには、異常を感じないうちからのチェックが必要不可欠。2年に1回の乳がん検診と、ご自宅での定期的なセルフチェック(自己触診)。この2つをどうか習慣にしてほしいと思います。
参考 ※1:国立がん研究センター がん情報サービス 2020年07月06日現在
※2:国立がん研究センター がん情報サービス 2019年10月23日現在
※3:慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト「KOMPAS」 2019年7月19日現在
乳がん検診は
どこで受けられるの?
個人や会社で受ける検診のほか、
40歳以上は自治体の住民検診があるよ。
お住まいの市区町村から検診無料クーポンが
郵送された方は、ぜひ活用してね!
40歳以上の方
2年に1度、市区町村が提供する「住民検診」を受けられます。内容は問診とマンモグラフィ検査(乳房専用のレントゲン撮影)で、費用は無料〜3000円前後で利用可能。詳しくはお住まいの自治体のホームページを確認してみてください。
40歳未満の方
自分で医療機関を選ぶ個人検診や人間ドック、職場が実施する検診があります。検査内容はマンモグラフィ検査と超音波検査のいずれか、あるいは両方を行うなど、年齢や希望によってさまざま。費用については、職場検診は一部補助を受けられますが、個人検診や人間ドックは全額自己負担(マンモグラフィ検査5,000円前後、超音波検査3,500円前後)となります。ただし、自覚症状があって医療機関を受診した場合は、保険が適用されます。
マンモグラフィと超音波検査、
どっちを受ければいいの?
国の指針で、「40歳の女性は、
2年に1回マンモグラフィ検査による検診が適切」
と定められているよ。
マンモグラフィは、乳房内のしこりだけでなく、早期乳がんのサインといわれる
「ごく小さな石灰化」を写し出すのが得意です。
ただし、しこりや石灰化だけでなく乳腺も白く写り、区別がつきにくいため、乳腺の発達した若い女性や、授乳中の方には不向きです。また、放射線を使って撮影するので、妊娠の可能性がある方は受けられません。
そうした方々には、同じくしこりの発見に有用な超音波検査が行われます。
被ばくがなく、検査に伴う痛みがないのがメリットである反面、「ごく小さな石灰化」を見つけにくいのが欠点といえます。※4 また、日本人は乳腺濃度の高い女性が多く、マンモグラフィでは病変を見つけにくいことがあるため超音波検査の併用が推奨されます。親や姉妹に乳がんの方がいる場合なども、超音波検査の併用が望ましいとされています。
参考 ※4:デヴィコアメディカルジャパン(株) 2020年8月31日現在
マンモグラフィ検査は痛いって
聞いたことがある……。
生理から1週間くらいの時期に受けると、
痛みを軽減できることがあるんだって。※5
我慢できないほどの痛みは、遠慮なく
放射線技師さんに伝えよう!
マンモグラフィ検査は、乳房を板に挟んで引き伸ばすようにして撮影するため、痛みを伴うことがあります。個人差はありますが、乳房が張る生理前は痛みが出やすいので避けたほうが良いでしょう。中には、生理周期にかかわらず、人より乳腺が発達していることで痛みを感じやすい方も。我慢せずに、検査を担当する放射線技師に伝えてください。どうしてもマンモグラフィ検査は怖いという方は、超音波検査も検討されます。また、「検査が恥ずかしい」という方は、女性が担当してくれる医療機関も増えていますので、ぜひ探してみてください。
参考 ※5:ファイザー(株)「がんを学ぶ」 2020年07月06日現在
自己触診って、ほんとに意味があるの?
乳がんの初発症状の約8割が、
患者さんが自分で気づいた 「自己発見」なんだって。
やっぱり、セルフチェックは大切だね。※6
乳がんは、「自分で発見できる可能性の高いがん」だといわれています。変化に気づくためには、普段から自分のバストの状態を知っておくことが大切。お風呂で体を洗うとき、ブラジャー着用前、就寝時に横になってからなど、月1回を目安にセルフチェックの習慣をつけましょう。そして「いつもと違うかも?」と思ったら、迷わず乳腺外科、産婦人科、婦人科の医療機関を受診してください。
参考 ※6:慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト「KOMPAS」 2019年7月19日現在
自己触診の方法を教えて!
生理が終わってから1週間以内は、
乳房がやわらかくて異変をみつけやすいよ!
閉経後や生理のない方は、月に1回、
日を決めて自己触診をしてね。
STEP1.お風呂で
石けんやボディーソープの泡がついていると、
しこりの有無がわかりやすいので、お風呂での触診がオススメ。
乳首を中心に
@円を描くように
A左右になでるように
B中心から外側へと滑らせるように
指を動かしながらしこりの有無をチェックします。
乳房周辺だけでなく、鎖骨の下から両脇の下まで、
くまなく触れて異常がないか確認してください。
ポイントは、親指以外の4本をそろえて、指の腹を使うこと。
触診専用のグローブを使うのもいいですね。
STEP2.鏡の前で
お風呂から上がったら、ブラジャーを着ける前に、鏡に向かってバストを観察してみましょう。
両腕を上げたり、腰に手をあてたり姿勢を変えて、乳房に「ふくらみ」「へこみ」「えくぼのようなひきつれ」が
ないか、乳首に「へこみ」「ゆがみ」「ただれ」はないか、左右の差を気にしながらチェック。
乳首をつまんでみて、「分泌液がないか」も確認します。
- 気を付けの姿勢
- 両腕を上げる
- 腰に手を当てる